「やがて君になる」特別に思わないことから幕を開けたガールズラブストーリー
2021/07/10
電撃大王が世に送り出す百合漫画「やがて君になる」
今まで告白されても誰かと付き合う気がない先輩・七海燈子と
人に恋する特別な気持ちがわからない新入生・小糸侑。
好きを知らない少女が出会う、一筋縄ではいかない恋愛とは。
主人公・侑は恋する気持ちがわからないので、少し悩んでた子なのですが
「好きにならなきゃいけないと思ってつらかったね」
「みんな恋愛の話が好きだから、自分がおかしいような気にもなるよね」
「君はそのままでいいんだよ」
と先輩が言ってくれたことで気持ちが楽になり
中学時代から引きずっていた告白のお断りを、きっちりする事ができました。
しかしながら
その直後に、自分と同じ好きを知らない人間だと思っていた先輩から
「君のこと好きになりそう」
と言われて頭の中メダパニ状態。
読んでいてもいきなりどうしたこったい、なぜなんだい?
という疑問符が湧き出てくるから
侑が「この人が何を言っているのかわからない」と思うのも無理はない。
一足先に特別を知った先輩。
集合写真を撮る時に、ちょっと手が当たっただけで照れる先輩。
そんな先輩を相手に、こっそり手を握って先輩の反応を確かめる侑。
何て言うか侑も大胆な小悪魔っていうか、心惑わしをするというか
とにかく手を握った時の先輩の反応から侑は確信しました。先輩は・・・
そう、先輩はずるい。
自分と同じ好きという特別な感情をわからない者同士だと思ったのに
もう先輩は特別を知っている。
ずるいという想いは、相手を羨む気持ちから。
侑は特別がわからないけれど、特別をわかりたいと思う気持ちはあるようです。
好きにならなくても良いという関係。
先輩は侑に好きにならなくてもいいから、好きでいさせてと言ってきます。
そして侑もそれを承諾。
2人は生徒会選挙に向けて一緒に行動していきます。
これ絶対に「飲む」って聞いたときに、内心どきどきしてるだろうし
返されたボトルをチラっと見てるのも、間接キスだって思ってるの間違いない。
そしてそれを顔に出さない先輩マジクールビューティー
っていうか間接キスの前にもうキスしてますしね。
好きを知ってから先輩の感情がノンストップバス。
それに対して、初めてのキスに何も感じない
どきどきを知らない自分を再確認する侑がとても対照的。
先輩が侑に特別を感じている理由。
中学時代の告白を断らせてすぐに
君のこと好きになりそうと言ってきた先輩。
なぜ侑を好きになったのかが、侑共々わかりませんでしたが
先輩が侑に特別を感じる理由が1巻後半で判明しました。
これは「君のこと好きになりそう」と言われる手前のやり取りの回想
まさに、ここだった。
誰のことも特別に思わないという返答こそ
先輩が侑を好きになりそうな決定的な理由だったのでしょう。
先輩には冴えない自分だった過去があるようで
今の自分は自分の理想像であり、特別な存在のようです。
自分の事を自分ですら特別だと思っている先輩と
誰のことも特別と思わない侑。
先輩は自分ですら特別視してしまってる自分を特別と思わないでくれる。
そんな人を待っていたのかもしれない。
侑も納得いったようです。
生徒達や親友にですら、失望されたくないと弱った所を見せない先輩。
特別な自分にならなくても良い侑は、まさに特別な存在。
生徒会役員になるつもりなんてなかったのに
先輩の助けになりたいからと役員になる侑は優しい。
勝手にこれからの展開予想。
侑がこれから先、待ち受けるであろう未来は予想が付きますね。
1巻の最後に「好きはまだわたしのものにならないけれど、この人の近くにいようと決めた」
「そのために諦めなければいけないものに、この時はまだ気付かなかった」
という終わり方をしています。
今はどきどきも恋も知らない侑が、いずれ先輩に対してそうした気持ちを抱き始める。
しかし先輩は自分を特別視しない人物を求めている。
つまり、先輩の近くにいる為に諦めなければいけないもの=自分の恋。
という王道的展開な予感!
自分の恋心を偽り、それに苦悩している侑の姿が見える…見えるぞ!
それに対し、先輩は侑をどう受け入れるのか?
もう考えただけでワクワクが止まりませんね。
とまぁ、予想が外れてても全然問題ナッシングですが
この2人の関係性から目が離せないのは間違いありません。
2巻は来年の春頃らしいぞ!
なんやこの予告は!気になりすぎてご飯が1日3食しか食べられなくなっちゃう!
見てるこっちがドキドキしますよ。
あと先輩って絶対にむっつりなのは間違いないと思います。
そして先輩の親友である沙弥香に重めな百合の気配を感じるのも間違いないと思います。
電撃大王さいこう
作者の方が百合描きたいと思ってたところに
百合漫画描きませんかと、担当さんからお話を頂いそうですが
即答でやると言いつつ「電撃大王で百合?」みたいに言ったそうです。
「だって百合やりたいじゃん」と返答する担当さんGJオブGJ。
電撃大王も百合が楽しめる作品はありましたけど
ここまで百合だけを核にした漫画を掲載するとはッ…
良い時代になったものです。
百合の香りがする漫画って
ほんとに昔に比べたら色んな雑誌で見かけるようになりましたよね。
昔は百合要素があっても、あくまでもメインではなく
調味料的な一要素でないと出しにくい時代もあったと思いますが
今は作り手も読み手も、百合を意識できる作品が増えたなって感じがします。
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