「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!12巻」頑張りは過去・現在・未来を紡ぐ

百合漫画

谷川ニコ先生による「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」12巻。
主人公もこっちこと智子が、現状を打破するために
ポイント制の決まりを作った2年生初期。
その頃からは考えられないほど進歩した友人関係。
感慨と百合深まるわたモテ12巻です!!

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amazonでも沢山の方がレビューしている12巻。
普段はレビューや評価をしない人でも
書かずにはいられないという衝動に駆られたという事ですね。

今回の表紙は、お世話になった3年生と腕を組んで写真撮ってるという
もうそれだけで尊みに溢れている視覚情報。

帯はシンプルに「モテ出した!?」である。
うん、モテ出してる(女の子に)

かつて読んでたけど、最近は読んでないって人にも12巻読んで欲しいし
今まで読んだことないって人でも、百合目当てで12巻読んで欲しい。
12巻から読んで面白かったら、過去からの積み重ねを感じる為に既刊を遡って欲しい。

触れてみてわかる細部への拘りみたいなのがあるから
何とも侮れない作品なのです。

友チョコバレンタイン

バレンタインに今まで縁が無かったので
女同士でやりとりしている事を知らなかったもこっち。

ガチレズさんマジでガチレズなの!?色々あってガチレズだと思っている真子からチョコを貰うもこっち。
真子は真子で、親友のゆりにはもこっちと違うチョコを渡していたりと
親友のゆりはやっぱり特別感ある。

真子からチョコを貰った事をゆりに相談したもこっち。
お返しについて考える分、もこっちはこういうとこ義理堅い。

放課後チョコ作りの乙女たち

修学旅行から仲良くなったゆりともこっち。
ぼっち適正がある同士、無理して話さなくて良い楽な距離感が丁度良い。

友…達はするんでしょ、こういうの?今まで真子にもらうだけだったゆりちゃんが
チョコ作りに付き合ってくれたお礼に、もこっちにもチョコを贈る。
「友…達はするんでしょ」
友達と言い慣れてないゆり。
何だかんだで修学旅行後から、もこっちに声掛けてくれたり
一緒にお昼ご飯食べたりしてるんだから、友達と胸を張って良い!!

ゆりが作ったの?ゆりからお返しのチョコを受け取る真子。
初めてゆりからのお返しだろうから
え!?と言うほど驚きと喜びが入り交じった感じ。

もこっちもゆりも修学旅行で出会わなかったら
放課後にチョコ作りなんてしていなかっただろう。
かつて(1巻)で自分が行く修学旅行を想像して
白目でビクンビクンしてた時からは考えられない未来。
修学旅行で深まったのは男女仲ではなく、女女仲であった。(イェイ

二年目の卒業式

え!?あ、ありがとう花粉症で鼻ぐずぐずな状態を見て
ハンカチやティッシュを差し出してくれるクラスメイト。
完全ぼっちだった1年の時とは違い、2年ではプラスの感情で高校生活を送れている。

1年の文化祭から始まって、交流を持った3年生である今江さんの卒業。
帰る前に挨拶をしようかと思ったものの
いくらでも話したい人いるよな別に特別な関係でもない自分が話しかけるのは
邪魔になるだろうから帰ろうとするもこっち。

そこに現れたヤンキー吉田さん。
もこっちを今江さんの元に引っ張り出す。

これも、もこっち絡みで吉田さんと今江さんに
少なからず関わりがあったからこそ出来たこと(10巻)
吉田さんと今江さんが出会っていなかったら
もこっちを今江さんの前に引っ張り出してくれる人はいなかっただろう。

最後にもう一回抱きしめとこうかな智子ちゃんのこと

今江さんに改めてご卒業おめでとうございますと伝えるもこっち。
よかった直接聞けてそして自己紹介し出す2人。
お互い面識はあれども、名乗ってすらいなかったという。
今江さんは七夕回で黒木さんと言っているので、苗字は知ってはいたようだけど
本人から直接聞けてなかったのは、ちょっと心残りだったらしい。

色々とお世話になった(気に掛けて貰った)ことから
もこっちは何かやって欲しいことがあるかどうかを尋ねる。
今江さんにとっては下級生に気を配るという
当然の事をしただけであって、特に何かしたというつもりはないものの
もう一回抱きしめとこうかな智子ちゃんのことぎゅっ最後にもう一回抱きしめておこうかなと
ぎゅっと抱きしめてくれたのであった。

下の名前が判別したら、名前で呼びかけるコミュ力の強さ。
一体どんな環境で修行をしたら、高3で全てを包み込んでくれそうな領域に到達できるのか。
スール制度があったら、間違いなく全校生徒あこがれのお姉さまである。

帰り道、真子から生徒会長と知り合いだったんだと聞かれて
1年の文化祭の時に…と思いだした所で「もう一回」の意味にふと気付く。

詳しい事は3巻の文化祭を読んで貰えばわかりますが
中学時代の友人が帰った事で、ぼっちの学園生活に逆戻ったもこっちを
今江さんが着ぐるみを借りて抱きしめに行くという行動に出た過去。

気持ち察し力ハンパない。
(この日のもこっちは、友達のゆうちゃんに貢ぎまくって抱きしめてもらおうと考えていた)

もう一回ってそういうことか…!文化祭の抱きしめてくれた着ぐるみの正体に気付いて
鼻がグズグズするもこっち。
真子がティッシュを差し出してくれるが、それを制止するゆり。
もこっちの今の状態は花粉症からくるものではなく
感傷に浸る時間が必要だという配慮だろうか。
ゆりちゃん気が利く。

入試から関わりがあったネモともこっち

2年生になった時に席も隣ということもあって
ゆり達よりも早い段階で、友達的な関わりがあったネモこと根元陽菜。

入試時うぇーい実は入試時も席が隣であり、もこっちからうぇーいと絡んでいた過去を持つ。
しかしながら、もこっちからすると中学生のノリは黒歴史に近いので忘れている。

覚えてるうぇーいそして現在、もこっちのモノマネとして入試時のうぇーいを披露。
もこっちは彼女を覚えていないので、なぜ中学時代を知っていると白目。
本人を前にしてだから、どんなモノマネをしようか考える間があって
思いだしてもらう為にあえてこのネタを選んだ所が面白い。

凄い偶然だねー3年のクラス発表時
もこっちが入試で隣だった人のことを、うぇーいポーズで思いだし
それに対して凄い偶然だねーと鋭い目つきになる陽菜。
自分がモノマネした時に思い出さなかったのが不満っぽい。

黒木さんも普通の子になったんだねー…そのせいもあってか自己紹介前の煽りもトゲトゲしく。
何気に根に持つタイプである。それに対してもこっちは
自己紹介で彼氏募集中というスベり芸を鍛えたメンタルで披露する。

それに触発された陽菜は、今まで隠し続けてきた
声優になりたいという夢を自己紹介で発表。

友達に声優を目指してる事や、アニメを見る事は隠してきたが
もこっちに影響されて自分をさらけ出す事に。
もしもの時はぼっちのやり方教えてねプロでしょ?自己紹介をやりきった顔をしている陽菜だが
友人グループからハブられる事に密かな不安があり
「もしもの時はぼっちのやり方教えてね」と
ぼっちのプロである、もこっちに伝えるのであった。

岡田茜

陽菜と私一緒だったよ陽菜の友人である茜。
3年のクラス情報をフライングゲットし
次の学年でも陽菜と同じクラスである事を喜ぶ。
この表情、一緒になれた事が本当に嬉しそう。

茜と陽菜の絡みも、わたモテ界のカップリングの一つである。

モテないし打ち上げに行く

2年生最後の終業式。
クラス最後の打ち上げで焼き肉に行くという。

今日クラス会で遅くなるかもこれに参加できるというのも、もこっちの成長を感じ取る事ができる重要回。
本当にクラス会に参加する事を、お母さんに電話してる時点ですごい感動モノ。

何しろ1年のクリスマス会では
お母さんがお小遣いをくれて、弟のワックスで髪を整えてちょっと楽しみになっていたのに
待ち合わせ場所でクラスメイトに気付かれなかった事を切っ掛けに
ゲーセンやブックオフで過ごし、帰宅後まぁまぁ楽しかったと嘘を付いた過去がある。

クラス会に参加せずお母さんに楽しかったと嘘を言うよりは
1人寂しい一日を過ごす方がマシという
哀しい結論を出したもこっちが、ついに打ち上げに!!

お母さんなの?カリスマギャルっぽい加藤さんからも構われるもこっち。
もはや空気だった黒木さんは存在しない。

加藤さんって、もこっちにアイメイクやネイル施したり
ぼっちにも男女にも分け隔て無く気取らない優しさを見せる。
「同級生なのになんだこの差は?」と、もこっちが思うのも当然である。

ぼっち適正者ゆり

打ち上げはゆりちゃんが修学旅行で仲良くなった
もこっちや吉田さんとの繋がりを、大切に思っているのがわかる回でもある。

ゆり待って焼き肉屋で1人疎外感を感じてしまった彼女は
二次会のカラオケには参加せず、焼き肉が終わって帰ろうしていた。
それを見つけた真子は、カラオケを断りゆりと一緒に帰る事に。

ゆりちゃんって真子ちゃんいなかったら、完全にぼっち街道だわ…
何だかんだで、もこっちはぼっちでありながら
ぼっちという状況を打破しようと、空回りな行動をしてきた軌跡はある。

ゆりは仮に親友の真子と違う学校だったとしたら
もこっちのように、ボッチに抗おうとするビジョンが見えない…

もうちょいだけ一緒にいたいと思ったけど彼女が打ち上げに参加したのは、もこっちや吉田さんと
もうちょっとだけ一緒にいたいと思ってのことだった。

しかし、打ち上げでは席替えにより4人でいる時間が少なかった。
真子との帰り道で「4人だけでもうちょっとだけいれればよかったかな…」と本音がポロリ

そんなところに、二次会には参加しなかった もこっちと吉田さんが駅で合流。
ゆりちゃんのささやかな望みが叶ったのであった。

次のにするから、もうちょっとだけ一緒にいていい?電車が来ても、次のにするから
もうちょっとだけ一緒にいていい?と言うゆりちゃん。

青春ッ…まさに青春ッ…!
修学旅行ではぼっちと余りもので組まれたメンツが
こうして友情で結ばれている事を嬉しく思う。

運命のクラス分け発表深呼吸をして3年のクラス分けを見た時に
親友の真子と同じクラスである事に「ふー」っと安堵。
そして次に黒木、吉田と修学旅行で仲良くなった2人の名前を確認し
嬉しさのあまり微かに笑みがこぼれ、さっと口元を隠すゆり。

真子から4人一緒で夢が叶ってよかったねと言われ
クールに「別に夢じゃないから」と返すものの…
付き合いの長い真子には、4人一緒のクラスになりたいという
親友の望みはお見通しなのである。

ゆりはぼっち適正あるにはあるけど
幾千の恥と修羅場をくぐり抜けて鍛えたメンタルを持つ もこっちと比べると
実際にぼっちになると脆そうとも思ってしまう。
本当は人恋しいのに、それを素直に表せない繊細さを持つぼっち。
それが田村ゆりちゃんである。

うっちーともこっちの12巻

ゆりとのチョコ作りの帰り
下駄箱にチョコが入っていたもこっち。

うっちーのバレンタイン内さんは校舎回ったけど、もこっちに会えなかったから
下駄箱にチョコを入れてきた模様。

ちなみに内さんが校舎を探し回っているのは
喪113(これはこれで良い組み合わせの片思いノンケ組のバレンタイン回)の
各所でチラっと確認できる。

内さんも修学旅行の同じ班で縁が生まれた人。
彼女は最終日のホテルで、もこっちと同室となってしまったのを切っ掛けに
その後も様々な誤解イベントが発生した結果、もこっちに蠱惑されはじめる。
今では完全にもこっちが気になりすぎてストーカーの領域に。

もこっちが調理室でチョコを作ったという情報を
友達と談笑しながら耳に入れたうっちー。
もこっちが自分の下駄箱にチョコを入れるのを隠れて見ている始末。

なんであいつ直接渡してこないのきもい…!きもいと言いつつ嬉しさ全開。
もはや彼女のきもいには♡が付くレベル。
キモい奴の手作りは食べられないと言いつつ食べるし
パックに入れて冷蔵庫で保管するつもりでもいる。

偶然にも原型のう○こ型チョコを復元してキモさに震えつつも
もう一口チョコを食べるうっちー。

端から見たら高度な疑似プレイ

蠱惑されたうっちーの行動

友達がもこっちと満員電車で密着して気まずかったと聞くと
翌日、学校を通り過ぎてその駅に向かおうとするうっちー。
乗り過ごしているのではないかというゆりに気遣われて
作戦は失敗してしまったが、もう行動が完全に恋の原動力で動いている人状態。

卒業生に手を出して最後の性を感じてるの!?今江さんがもこっちを抱きしめるのを見て
卒業生に手を出して最後の性を感じるの!?キモい!と
木の陰から見ているうっちー。

キモさのなかに蠱惑さがあって…陽菜がもこっちのモノマネしてた時には
似てる似てると笑う周囲に比べて、ただ1人うっちーは
「本人はもっと声低そうで高くて暗くてキモいよ。で、キモさのなかに蠱惑さがあって……」と
詳細な点を指摘する、まるでもこっちのプロみたいな評価をするのであった。

クラスの打ち上げで焼き肉食べ放題に行った時に
もこっちの隣の席になったうっちー。
うっちーさっきから肉真剣に焼きすぎー真剣に焼いた肉を…

もこっちの皿に育てた肉を移すこうじゃ!

丹念に育てた肉を隣の皿に移すのを見て友達も思わずビックリ。
これが好きな人を優先する乙女である。

うっちーも一緒だよ!!3年生になり、クラス分け発表
うっちー達仲の良い6人はみんな3-4で一緒という奇跡に喜ぶ。

しかし、うっちー的には仲の良い友達が全員一緒でも
気になっている人が別のクラスでは意味がない。

なんでぇ!!なんで!?周囲の目も気にせず、悲しみを全身で表現してしまううっちー。
恋ってすごい(色んな意味で
うっちーの友達たちはすごく仲の良いグループみたいなので
いつかうっちーの恋の相談に乗ってくれるかもしれない。
でも相手が「あの人」というもこっちだからなー
最初は辞めた方が良いって言われそうだけど
最終的にはうっちーを応援してくれそうなグループ。

12巻の裏表紙には、うっちーの理想と現実の二次会が描かれているぞ!

ギャグの中で息づいてる人間ドラマ

1年から2年そして3年へ
進級していく中で、濃密なドラマ性を感じる今日この頃。

3巻の文化祭や5巻の卒業式など、ぼっちであった1年生時代が
今日に至る伏線的に感じるので侮れない。

1年の卒業式にもこっちは、1人たたずむ卒業生を他人事ではないと気になり
計らずとも最後まで一緒に居残っていた事がある。
この時に出会ったぼっち卒業生は
もこっちがぼっちのまま高校生活を過ごした延長線上の未来。
そんなIFルートを疑似体験できる話だった。

それが12巻の卒業式ではお世話になった生徒会長に、もこっちが挨拶できるという進歩。
かつては数ミリグラムしか哀しくなかった卒業式が
今回ではキログラム単位で感じる哀しみが増えているのではと思う。
過去からの積み重ねがあって話が深みを増してる。

修学旅行から友達も増えた今となっては、かつてのぼっち卒業生先輩とは違い
もこっちの卒業式の日は、1人黄昏れているという選択肢が薄れてきた。
ぼっち卒業生との別れ際に「そっちもあと2年頑張ってね」と言われたもこっち。
空回りもしょっちゅうあったし、もこっちはすごいバカだけど
脱ぼっちを頑張った結果と思える友人関係がここにあります。

なんかレズ思いにふけってない?遠足編からも濃厚な百合が楽しめる次巻も期待。
ぼくも少女達の青春を見て、百合思いにふけたいと思います。
もこっちってゆり、ネモ、うっちーと癖のある面々を無意識に蠱惑していくなぁ…

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モブ2人の世界ふとしたモブにも百合みを感じてしまう…
色々と細部まで楽しめる漫画です。

 

 

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