「百合の騎士と薔薇の姫」身分差百合も良いモノですなぁ。

百合小説

漫画以外の本はここ最近ですと
ビジネス書くらいしか読んでいなかったので
久々にストーリー物を読んだ気がします。
ビジネス書も読んでいて面白いのですが、そこに百合はないっ!
百合の騎士と薔薇の姫には、心が求めていた百合があるっ!

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本作は白銀の騎士装束と美しさから百合と称されるレイナと
薔薇のように紅い髪が印象的なアスハの物語。
薔薇と言っても本タイトルの薔薇とは、花を指す単語です念のため。

自分にだけワガママなお姫様って良いと思います。

近衛騎士として幼少の頃から付き添っているレイナに対しては自然体な姫。
貴族たちの集まる豪勢な晩餐会の場で、姫は伯爵と形だけの会話中。
姫に付きそうレイナは、ひょんなことから男性から一曲踊りに誘われます。
レイナはプライドの高い貴族の誘いを断るのは
後々やっかいな事になるかもしれないと思い
仕方なく一曲引き受けようとします。

しかし、そんな事を姫は許すハズもなかった。

「お待ちなさい」と伯爵との会話を途中に席を立ち
物腰は柔らかに、しかし有無を言わさぬ迫力を貴族に向けながら
わたくしも踊りたくなりましたの。とレイナの手を取り踊りに向かいます。

踊っている最中に周りに聞こえない声で会話をする2人。
騎士として男のように育てられ、自分を男女だと思っているレイナ。
姫はそんなレイナに、男に狙われるくらい綺麗なんだから隙を見せちゃ駄目
貴女は男女じゃない立派なレディーなんだからと力説。
男に対して「私に近づくな」って刺客に放つような鋭いオーラを
いつも出しておかなきゃダメって言ってたのを忘れたの!?と激おこぷんぷん丸な姫。

私以外は駄目ゼッタイ「毎回言ってるけど、次からは男に声をかけられたりなんかしたら駄目よ。絶対に!」

親の心、子知らずではありませんが、まさに主の苦悩、騎士知らず。
綺麗な事を自覚していない近衛騎士を持つ主の苦悩をお察しします。
そりゃ、男に声掛けられるなって無茶な命令も出したくなりますよね。
とりあえず男は姫の嫉妬心と独占欲を表すための舞台装置みたいなモンで
これ以降は敵との会話が発生するくらいで、男にはたいした役割は与えられてないです。

姫の政略結婚まで一ヶ月

王党派と共和派で分かれているローゼン王国。
王は王制の力を強める為に、王党派の実力者と姫を結婚させようとします。
政略結婚は姫モノの定番ですが、国と国ではなく内部の派閥争いでの政略結婚ですな。
姫としては今更、国を貴族や王族のものに戻そうとしてるのに対してセンスがないと
共和派的な考えをしているものの、王族として王の命令には逆らえない。

そんなこんなで姫は結婚までに普通の恋愛をしてみたいということで
レイナを恋人役として、結婚までの一ヶ月を楽しもうとします。
姫の好きな相手はもう昔からレイナなので、最初から誰を相手にするかは決まってました。
レイナは疑似恋人を引き受けながら、主に使える身が恋人役なんていけないと思っています。
しかし、恋人として過ごすうちにレイナも自分の中にある気持ちに気付いていき…

やっぱハッピーエンド大好き。

姫の結婚という暗雲が物語の始まりのキーでしたが
基本的にはレイナと姫の恋人として過ごす場面がメインとして進行されます。
やっぱりハッピーハッピー教の自分としては
百合ップルには常に幸せでいて欲しいわけですよ。
終わりがハッピーエンドでも、途中で男が汚してくるとかヘイト高まるような事があると
男に塔十字塔十字塔を喰らわしたくなるほど
精神が安定しなくなる可能性があるので、あくまで個人的にはよろしくない。

しかし、この作品は最初から最後まで
ハッピーハッピーなので大安心です。

まるで頭からしっぽまで、ハッピーがぎっしり詰まったタイ焼きのようだ。
百合の髪飾りが薔薇の姫、薔薇の髪飾りが百合の騎士。
デートの時にアクセを買ってお互いに付け合うとかイイよね~

政略結婚についても特別に血なまぐさいこともなく、結婚式を台無しにして解決するので
姫と騎士のイチャラブを堪能しませう。
ただ、レイナの事を好きだったレイナの親友であるナノの恋は叶わなくなってしまいますが
ローゼン共和国で彼女にも素敵な彼女が出来る事を願っています!

この作品の何よりも素晴らしい所

ハッピーハッピーな作品である本作には
何よりも何よりも素晴らしい表現と思える点があります。
それは、あの林屋志弦先生の魂の名言どおり
棒なんぞに一切頼らず己の技で勝負しているところ。
指と舌による細かい気配りが行き届いております。
やっぱ百合に棒なんて邪道なモンはいらんかったんや!
百合にニセ棒やプラスチックの棒は無粋だと個人的に思うんですよ。
終章でお互いの初めてを指であげ合い、もらい合う。
そんな姫と騎士のラブラブ愛にわたしのハートは幸せで満たされた。

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