『百合ドルミッション!』愛されアイドル受け百合ハーレム

百合小説

あらおし悠先生の新刊百合ラノベ
ほんと良質な百合ラブイチャ本です。
自分の望む百合観と合致するありがたき作品。

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この百合ドルミッションは主人公の伊波 歩(いなみ あゆむ)が
タイトル通りにライバルを解散させる為にあくせくするというものです。

今回の主人公は、芸能界のダークサイドに…というほど大袈裟ではないですが
綺麗ではない部分に悩む、ちょっと可哀想な娘です。
とはいえ、酷い目には遭わないのでご安心を。

という具合にダークな感じもありつつ
でも酷い目に遭わない百合な甘々が約束されているので伸びやかに読めます。

翻弄されるアイドル伊波 歩(いなみ あゆむ)

歩はトップアイドルグループ「エンブレイス」のメンバー
しかし追加メンバーとしてまだ1年しかエンブレイスに所属していない彼女は
事務所から後輩グループ「ピュアリーリップ」に電撃移籍する事が伝えられた。

そう、”ライバル”とは同じ事務所の後輩。
本来は妹分となるグループなのに何故、解散させなければならないのか?
その理由はエンブレイスのリーダー上乃原 瑠歌(うえのはら るか)と歩の関係性にあった。
二人っきりの時は瑠歌をおねえさまと慕えるほど二人は親しい仲。
歩は離れたくない、瑠歌は手放したくない…そんな二人の想いが一致。

瑠歌は歩にピュアリーリップを解散に追い込むように言います。
移籍先が解散すれば戻ってこられる。
二人一緒にいるため、ひいてはエンブレイスを守るという大義名分のために。

既に完成されていた二人組ユニット「ピュアリーリップ」

美少女吸血鬼のようなミステリアスな魅力の望月 夜々(もちづき やや)
切なく儚げで保護欲を掻き立てられる内気少女の村居 紗雪(むらい さゆき)
そんな個性を放つ既に完成された二人組を前に
歩はこのグループでの自分の役割は何なのか迷ってしまいます。
何より夜々と紗雪からも、あまり歓迎されていない様子。

最初は二人から邪魔者だと思われていた歩ですが
ひょんな出来事から二人におねえさまと呼ばれるほどすごく懐かれます。
逆に何か企んでるのかと思ってくるほど引っ付いてきます。ジャケ撮影中のピュアリーリップジャケット撮影中のピュアリーリップ
夜々の提案で歩が二人に挟まれてやたら近い構図に。

実は紗雪の方が×××とか
夜々は生意気だけど寂しがり屋とか
二人が何か企んでいるわけではなくて純粋に懐いてたりします。
紗雪についての出来事はちょっとここでは書けない(/ω\)ハズカシー

その分、夜々について書きましょう(何
夜々はまだぎこちない紗雪と歩を仲良くするために、彼女たちを二人っきりにします。
結果的には二人がとても仲良くなる事をするに至ったので作戦は大成功。
しか~し、予想以上に二人が仲良くなったため夜々はある行動に出ます。

ある時、撮影時間が変更になったと歩に嘘をつく夜々。
それを真に受けて寝坊した歩はスタッフから当然怒られます。
「新人がスタッフを待たせるな!」「お前は後輩の手本にならないといけないだろ!」
歩からすればなぜ夜々に嘘をつかれたのかわからない状態。

無事に仕事が終わり帰宅する歩。
しかし夜々は自分の家には帰らず、紗雪に内緒で歩の家に来ていました。
歩に対して「どうして叱らないんですか!」と逆に食って掛かる夜々。
そんな夜々に歩は先輩は後輩を守るものと答え、どうしてあんな嘘をついたのか訪ねます。
それに対し夜々は苦悩に唇を歪ませながら、言葉を振り絞ります。

『紗雪ちゃんばっかりずるいから!あの娘だけ歩おねえさまと仲良くして!
紗雪ちゃんはあたしのものなのに!
歩おねえさまも、紗雪ちゃんとばっかり仲良くしちゃダメ!』

嫉妬しているのは間違いないけれど
その嫉妬が紗雪か歩どちらに向いているのかはっきりしない。

夜々はどちらかに嫉妬しているというよりも
自分だけ二人から取り残されたように感じて寂しかった。
でもプライドが邪魔をして言い出せずに拗ねてしまっていたのです。

夜々が歩に嘘をついたのは、子供に見られる試し行動みたいなものですね。
自分をどの程度まで受け止めてくれるかを探る為に、わざと困らせることを…

不安も弱さも剥き出しにした夜々の表情に
自分が瑠歌おねえさまに向ける眼と同じものを感じる歩。
夜々は思いっきり甘えられる相手が欲しかったのかもしれない。
自分を守る為に気を張って、紗雪を喜ばせようと頑張って
でもそんなのはみんな虚勢で…

もうこの時点で歩はピュアリーリップを解散させるという計画を諦めていました。
自分を求めるこんなにも可愛い後輩を騙すことも裏切ることもできないと。

こうして二人が更に親密になるための交流が始まりますが
最初は歩になすがままだった夜々も攻守交代して攻める側に。
歩は受け体質だから抗えない摂理とも言える。

こうして紗雪と夜々の二人と親密になった歩。
もうほんと仲良くなる過程が甘々に盛りだくさんでどれも素晴らしかったです。

お人好しな歩じゃなくても、計画を諦めたくなるほど後輩の二人が可愛い。
こんなに懐かれてるのに、解散させられるのは相当なワルにしかできない。

しかし、そうなると瑠歌おねえさまと歩の関係はどうなっちゃうのと
気になりすぎて読むのが止められない。
大好きなおねえさまと可愛い後輩の板挟みの状況で答えの出せない歩。
はたして彼女の悩みの着地点はどこになるのか?

受け主人公による百合ハーレムしゅき

酷い目には遭わないと公言されていますので
先が気になりながらも、どこか安心して読めるのが良いですね。
こういうライトな感じ好きよ。

歩にミッションを託した瑠歌おねえさまについても憎めないお人です。
紗雪や夜々と同じように、歩を心配して一通のメールで飛んでくるおねえさまです。
そんな物語終盤は一枚上手の夜々と瑠歌おねえさまのやり取りに注目です。
シリアスな感じもするけれど、歩が流されやすいということに
全員反論できないコミカルさもあり、ほんと楽しく読める作品です。

そして肝心のイチャイチャシーンについてですが…最高という言葉しか出てこない。
何より大事なのは作品の重要なパートと自分の望むモノが合致している点。
これは百合の騎士と薔薇の姫でも言いましたが
百合に棒は必要ないということ(あくまで個人の好みとして
正直、この好みだけは今後も変わる事は無いと思っています。
道具に頼らない描写というのが、自分にとって百合ッチで一番大事にしたいポイントです。

自分の望む百合の価値観と一致する、二次元ドリーム文庫の
百合作家さんと百合編集さんには感謝しかありません。
きっと両者共がその価値観を持って取り組んでいるに違いないから。
これからも色んな百合ラノベ読みたいから売れてくれると良いな~

百合ドルミッション!百合ドルミッション!

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