「さようならむつきちゃん」百合は甘く、時にほろ苦い。

百合漫画

百合もはじめて、短編集もはじめてという
磯谷 友紀先生のGL作品集「さようならむつきちゃん」です。
あるとき百合が描きたくなってコミティアに参加したのが
本作のタイトルとなる作品だったそうです。
8篇のガールズストーリーが収録されている本作。
その中から1つを、ご紹介したいと思います。

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親子ほど歳が離れている16歳と41歳の年の差百合。

息子の入学式に旦那の浮気で離婚が決定して涙してたママさん麻知と
そんな彼女に一目惚れした理世のお話。

まっすぐな感情でぶつかってくる理世に引きつけられ、付き合う事になった麻知さん
しかし半年付き合ってもキスすら進展のないことに理世ちゃんは焦ります。

理世ちゃんは先輩女子から告白されるほどモテる女子。
先輩からの告白はお断りしたものの、知識が欲しい理世ちゃんは
「やり方を教えてほしい」と先輩に申し出ます。
そこへ偶然、息子の成績についての話で学校に来ていた麻知さんに
先輩女子からキスされている所を見つかってしまいます。
あぁ、何というタイミング運命の女神のイタズラ…

その後は理世ちゃんを避けるようになる麻知さんですが
理世ちゃんが風邪で4,5日学校を休んでると聞くとお見舞いに駆けつけます。
そこで自分は何の経験もないのが不安で…と打ち明けられたら、押し倒してキス!
これぞ災い転じて福と成す。

押し倒してキスする麻知さん押し倒してキスする麻知さん。

わたしが教えると麻知さん

他の女に聞くなと嫉妬する麻知さんわたしが教えるから他の女に聞くなと嫉妬する麻知さん。

17,8歳の小娘の先輩に嫉妬する41歳カワイイ
理世ちゃんが愛おしいと思うのも無理もない。

二人は3年後に部屋を借りて一緒に暮らす事になります。
めでたしめでたし年の差百合という感じです。

あまり話に出てこないけど、実は息子の理解が凄いと思う。
「わたしのこと好きだってさ」と当初、告白されて頭を抱えてた母親に
「あーらしいねー、よかったじゃん先月から独り身だし」と切り返す息子。
間違いない、彼は百合男子だ。

高校卒業して母親が同い年の女子と一緒に暮らす=家を出るを軽く容認できるとは
懐の広い男子よ。百合において百合の邪魔にならない、こういう男は好ましい男です。
やっぱり彼は百合男子だ、間違いない。

他にも色々なお話が満載。

「甘くて苦くてほっこりする」と裏表紙に書かれてある通り
全てが全てハッピーエンドに繋がりそうというわけではありません。
それでも「ほっこりする」とあるようにハッピーエンドでなくとも
嫌な読後感というのは無かったです。
不安定の上にあるセンチメンタルな関係の中で、繊細な心の描写がされているという感じ。

百合を考えれば考えるほど、はじめの方はハッピーエンドが描けなかったという磯谷先生
はじめて百合を考えると、現実味も調和されて産み出されたのだろうなと思います。

個人的には魔女ヨハンセンくらいコミカル?なの好きです。
処女喪失する為に魔女を魔方陣で呼び出したハンナ。
でも小さくて好みじゃない魔女が召喚された。
まだ発展途上だから私を選んでおけ。
ということで選んで、ヨハンセンで良かったと思う話です。
ハンナが眠った事後に魔方陣からごめんねーゆるしてよーと
好奇心で彼氏作って勝手に裏切った女の情念が、魔方陣から出てきてハンナに向かうが…

ヨハンセンビームもはやわたしのものだぞと魔女ビームで撃退するみたいな。
魔女ヨハンセン、ハッピーエンドですね。あとがきでも二人は上手くいってる感出てます。

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