『終活女子高生』優等生はヤンキー娘との思い出を欲する真理。

百合漫画

シュウカツ―それは人生の終着点に向けての活動。
ソナエという雑誌ではサザエさんの遺産相続問題を考えたとTVで見ました。
そうしたのを見ると無縁化社会とエンドビジネスについて考えさせられますね。

さて、終活女子高生では、そんないくばく少女・律が自らのエンディングに向けて
ヤンキー少女・沙羅に絡みまくるお話です。

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本作は作者のあや先生のブログにて
編集部内でもテーマ的に連載化を反対されたり
シュウカツにまつわるワードがことごとくNGで頭を抱えた
と書かれていました。

でも「連載化を反対されたのを聞いて何故かニヤニヤした」とも書かれています。
これは良い意味でのニヤニヤでしょうね。
おそらく、してやったり的な。

編集部全員が賛成できるのであれば、それはもう既知ジャンル。
編集部全員が反対するのであれば、恐らく廃れて満場一致で芽が出ないジャンル。
逆に担当さんなど賛成する意見も一部あるが、反対も大きく受けるということは
業界にシュウカツをテーマにした4コマは無いということ。(多分
これって個性としては申し分ない条件だと思います。

SONYのウォークマン、コンビニのセブンイレブンなど
当初は周囲の反対にあったアイデアこそ、成功への未知であるように
今や反対されるという事は、ある意味で喜ばしい指標になります。

でも、このブログ的に大事なのはそこじゃないですよね。
this is yuri?
ってことですよね。
オーケー始めましょう。

律と沙羅。

優等生とヤンキー娘の組み合わせって好きです。
本作の優等生・律は周囲から優等生と思われているが勉強はまったくできない。
好みも変わっている、周囲から優等生に見られてる不思議ちゃん。
うん。優等生というよりホント不思議ちゃんカテ。

対してヤンキー娘の沙羅は派手な外見から距離を置かれて一匹狼だけど
お年寄りにも優しく面倒見の良いタイプ。
私知ってるから本当は良い人だと思っていた女の子と仲良くなる。
それが律のエンディングノートの第一歩。
事情を知っても気を使わずに接してくれる相手を求めていた律。
その相手が本当は心優しい沙羅だったわけですねぇ。

石神井秋人そして律の片思い相手の1人だけ絵柄が違う番長っぽい人。
本作は番長とのラブロマンスが繰り広げられる作品ではないですので
百合をご期待の皆様、ご安心ください。
番長は言うなればギャグ要員みたいなもんです。
百合の邪魔をしないとなれば良い番長だと思いませんか?

律は番長の名前を出す事により、沙羅の心配性を煽った線が濃厚。
そして世界征服へ向けての戦力として目を付けている(何
そんな札付きの不良が怯える存在である律が実はさいつよ。
アンタに怯えてんの!私が一番好きなのは沙羅だから番長相手の恋に忠告する沙羅と、一番好きなのは貴女だと告白する律。
何気に番長の作品違いの濃さに印象が強く残りますが
よく見てみると序盤以降は番長の出番は無かったという。
そして元から台詞の一つもないという。
番長の存在は序盤にて律のぶっ飛びキャラと
沙羅の面倒見の良さを印象付ける役割を担ったという感じでしょうか。

沙羅の手あったかい夏休みもクリスマスも沙羅との話しかない。
この事を一番喜んでいるのは、怯える生活から解放された番長だと思う。

外堀から埋めていくスタイル。

ヤンキーだと思われている沙羅は周囲の評価が良くありません。
無理矢理に律を付き合わせてると言われます。
大泉さんにまとわりつかないでむしろ小悪魔に付きまとわれているのは沙羅だったりするのだが
クラスメイト達に律の本性は知られていない。

その後、遊園地にて律と沙羅の2人を見かけたクラスメイトは
律が沙羅に無理矢理つれられてると思い助けようとしたが…

傍目から見て律と沙羅の醸し出す雰囲気がバカップルなので
邪魔したら悪いので助けなくていいという結論に達した。

恋のトライアングルそして律の友達の権利を巡って戦った球技大会を経て
沙羅のヤンキーという誤解は無事に解けたという。
2人の関係を知って割り込むようなことはそして沙羅は桜田さんに律との関係を認めて貰えることになったのでした。

沙羅ママも公認の仲。

沙羅さんと一緒のお墓に入る

沙羅ママ相手に律のストレートな変化球(矛盾)
律は後に沙羅の隠し撮り写真を元に情報をリークしてもらうなど
母親と友好な関係を築く。律っちゃんなら沙羅をあげても

情熱のない人生は刈り取る者を待っているのと同じ。

ここで作品とは関係ないですが
律のように余命を宣告されても情熱的に生きた方の紹介をします。
それはカーネギーメロン大学教授ランディ・パウシュ氏。
同氏が大学でのスピーチにて、人が最後の時に後悔するのは「自分のしでかした事」ではなく
「自分がしなかった事」であると語りました。
そして「情熱」を見つけることを諦めないでくださいとスピーチで伝えたのです。

教授の人生で学んだことから考えると
その「情熱」は物やお金の中に見出す事はないという。
物やお金は保有すればするほど、それらが基準となり
自分よりそれらを多く保有する人が必ず現れると答えている。
本当の情熱とは内側から湧き出るものだと。

そして教授が自分の幸せより見つけた大事なもの…
それは真実の愛。
「そんな情熱と愛が皆さんにも見つかるように心から願っている」と
ランディ・パウシュ氏はスピーチを締めくくりました。

終活女子高生では、律が自らを振り返った時に
後悔のないよう叶えられるチャンスに沙羅と一緒に挑戦し続けています。
それを見てると、だらけた生活をしている自分を見つめ直す必要を感じてくる。
そして律が見つけたのは沙羅との真実の愛なのかな(百合脳

本作は真面目なテーマでも暗くなりすぎず
楽しく読めるように描かれています。
津々巳あや先生はこの作品にどのような結末を用意するのか…
気になりますね。

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