『あの娘にキスと白百合を4巻』宝石のような百合分が凝縮されている一冊。

百合漫画
ドラマCD4巻と近い発売日でコミックス4巻も出たあのキス
4巻のテーマは「未来」ということで
3年生である瑞希と萌をメインに高校最後の夏物語が展開されます。
 
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なんていうかね
砂糖で鈍器を作ったら、あのキスになったみたいな感じ。
その攻撃力の高さで我々に襲い掛かってくるから遠慮なく受けて立とう。
一撃喰らうだけで幸せな世界ってここにあったんや…と悟ること間違いなし。
 

控えめに言って最高ですねこの4巻は

もうね…この4巻、超絶最高としか言いようがない。
4巻には花火大会での瑞希と萌による圧巻のキスシーンがあります
ですが
キスシーンがあるから最高と評価しているのではありません
(もちろんキスシーン最高だけど)
そこに至るまでのドラマ。
それがあるからこそ、涙腺を刺激されるほどの感動が生まれるのです。

4巻のテーマは「未来」であると同時に
瑞希の成長が描かれています。
学園の王子様でありながら中身ヘタレ系乙女だった瑞希。
大会が終わるまで私のこと考えちゃダメだからね走るのも萌の為、何をするのも萌の為。
そんなミズキが萌から萌断ちを提案され
悩んだり落ち込んだりした結果
自分の為に走り、自分で考えて行動し始める事ができました。

私の事考えちゃダメって
アイカツ!で「オーディション終わるまで私のこと考えるの禁止」って
セイラちゃんが言ったこと想い出した。
きいちゃんも自分のことより、セイラちゃんのプロデュースで頭いっぱいだったからな…

もう私は必要ないのね今まで色んな事を「萌のため」で誤魔化してきたと語る瑞希。
瑞希は大会が終わって抜け殻のようになっても
自ら立ち直り、黒沢さんと勝負して陸上に区切りを付けます。

泣いてない大会が終わって瑞希が泣いてるから自分は泣けなかった萌。
今までがまんしてた萌はようやく泣くことができました。
「泣いてない」って強がる萌カワイイ。
そんな彼女の涙にキスする瑞希。
青春…これが青春ッ!
 
「したいこと見つかったら誰よりも先に…お父さんやお母さんより先に聞いてくれる?」
陸上に区切りを付けた瑞希は、次のしたいことを見つけようとしています。
今度は「萌のため」に縛られず、自分で考えて決めると。
 

瑞希と萌の未来

一緒に夏祭りを楽しむ瑞希と萌。
どうやら瑞希は陸上部にお祭りに誘われていたけれど
萌とまとめて嘘の予定で断った模様。
嘘ついてでも萌と来たかったの何やら嘘をついてでも二人っきりで萌に話したいことがあるようです。

瑞希歴が長くなればわかる萌さんほど瑞希歴が長くなると
瑞希が何を言いたいのかわかるようになります。
私と一緒の大学に行きたいと言うのだろうなと。
萌もうんうんと1人で勝手に納得しています。

しかし瑞希は先生もいいなと自分とは違う進路に興味を示します。
瑞希なら私のそばを選ぶだろうってどうやら瑞希はハッキリとやりたいこともできることもないから
見えてるところ、清蘭大に進むつもりのようです。

あ…れ…?
瑞希なら迷っても自分を選んでくれると考えていた萌。
自分が思い上がっていた事を思い知らされます。

そんな中で出会った迷子の子供を無事に送り届けます。
偶然にも相手は陸上部の部長。
陸上部からお祭りに誘われていたのを嘘で断った手前気まずい瑞希。
案の定、部長からは皆で一緒に見ようと提案されますが…

私今日は瑞希に予約されてるの
「私 今日は瑞希に予約されてるの」この一言!
半端ない彼女力、耐性のないものがこのリア充オーラを浴びるとしぬ。
陸上部の面々は耐性あるから平気なんだろうけど。
 
いよいよ二人っきりになれた瑞希と萌。
花火が打ちあがり雰囲気ばっちりで最高のロケーション。
いよいよ瑞希が本当に考えたやりたいことを話してくれます。

『ねえ 萌
一緒に暮らそう』

萌にそばにいてほしい萌のことしあわせにしたい
 
瑞希のやりたいこと。
それは萌にそばにいてほしい。
萌にしあわせだって思ってほしい
萌のことしあわせにしたい。

それが「萌のため」に縛られなくなった瑞希の
本当に自分で考えて決めたことだった。

花火大会だとか大学の進路だとか、そんな目に見える先の予約じゃない。
大学生で無理なら、もっと大人になってからでも良いから一緒に暮らしたい。
まさに圧倒的!人生を…未来を予約!!
萌をしあわせにすることが瑞希のやりたいこと。
ここまでの答えが出てくるとは、本当に感慨深いものです。

以前の瑞希ならこの結論は出せなかったでしょう。
おそらく萌の予想通り一緒の大学に行くという
近い未来しか見いだせなかったはずです。
そんな瑞希歴の長い萌の考えを上回るやりたいことを見つけられたのも
萌断ちから陸上を通じて自分を見つめなおし
成長した瑞希だからこそ出せた結論と言えましょう。
この一冊まるまる瑞希の成長から繋がる
約束された二人のハッピーエンドストーリー。

もうね、萌の気持ちを考えたら見てるこっちの涙腺が刺激される。
1人で変わっていく瑞希に若干の戸惑いを感じてた萌。
進路についても瑞希なら迷っても私のそばを選ぶだろうと
思い上がってた自分を思い知らされた直後。
それを大学の数年間なんて目じゃないレベルで

一緒にいたい、幸せにしたいって言われるんですよ?

そうだよ…これがプロポーズじゃなかったら何がプロポーズなんだって感じだもん。
2人の未来…結婚…約束された幸せを感じずにはいられない。
メロンブックスの店舗特典のダブルウェディング…あぁ素晴らしきかな。

そう告げて瑞希が約束の指切りをしようとしたところ
萌は目を閉じてキスを待ちます。
そして瑞希からキス、そして萌からキス…完全に2人だけの世界。
2ページ6コマでキス、そして花火を背景に1ページキス。
この素晴らしさを言い表せる言葉を持っていないので
是非、その目で確認して欲しい。

ここに至るまでの経緯を踏まえれば、このキスがただのキスじゃない事がわかります。
未来を約束する誓いのキス…
祝福の感動を禁じ得ない。

ここに至るまでの関係を噛みしめながら読んで頂きたいポイントですね。
さすれば2人のキスに引き込まれること間違いなし。

物語のないキスは数学の証明問題で答えを導く過程がないのに等しい。
もちろん、実際の証明問題じゃないのでキスだけでも得点は高いです。
しかし、100点満点以上の点数を取るにはキスまでの過程が必要不可欠。
そう思わせてくれるほど、冒頭の「萌断ち」から紡がれたストーリーだった。
もちろん、4巻単品でもすごいが1巻やドラマCDを踏まえるとより深みが増す。

結婚するときも瑞希から「結婚しよう」って指輪出すシーンがあるんだろうなぁ。
夏祭り見てもこのカップルは大事なことは瑞希からって感じがします。
そうでなくても萌さんはスーパー彼女だから瑞希から言わせるように仕向けそう。

百合…ありがとう百合…

ありがとうと言う以外ない読後感。
メインとなる瑞希と萌を主軸に紹介しましたが
4巻には黒沢さんと同じ中学だった町田郁という新キャラも出てきて
猪上小萩、鹿間もみじと仲良し3人組による更なるオムニバスストーリーの加速も予感させます。
4巻は3/5が瑞希と萌の話で、2/5がこの3人組なので実はすごい。

私の知ってる黒沢さんじゃないクールでかっこいいナイフみたいな人高校の黒沢さんはクールでかっこいいナイフみたいな黒沢さんとは別人だった。
ロンリーウルフ黒沢は、今や白峰さんに尻尾を振るわんちゃんとなっていたのである。
でもそれで幻滅したりとかではなくて
白峰さんのようにカチューシャをしてみたりと、郁は恋する女の子。
挨拶の交わせる仲になったり、勇気を出して夏祭り誘ったりとがんばっています。

そんな郁が黒沢さんに夢中でつまんないと思ってる小萩。
しかし「友情とは傷つくこともあるけれど、相手の人生に付き合う覚悟のことです」
そう言い切る小萩ちゃんは格好良かった。
それなら仕方ないかと付き合うフレンドもみじ。
白峰さん⇔黒沢さん←郁ちゃん←小萩ちゃん←もみじちゃん
こうかな?どうかな?これからの展開に期待。

あのキス小劇場もさ…裏側の小さな恋物語バリバリでさ
10歳年上のヒモニート志望を養う決心する15歳中学生…歳の差百合ィ!
他にも色んなカップル感じてやばい。

番外編1では郁3人組と白黒の5人で夏祭り。
瑞希に浴衣を着せた白峰さんスーパーぐっじょぶ。
郁の誘いをOKして白峰さんも誘った黒沢さん。
嘘ついてまで2人っきりになりたかった瑞希とは対照的で面白いです。
白峰さんと黒沢さんの恋物語はまだまだこれからということですね。

番外編2はバレンタイン。
ドラマCDでもお馴染みの4カップルのバレンタイン。
友チョコすらブロックする十和子さんマジ十和子さん。
そして黒沢さんがすごい手作りチョコを持ってくると予想して
瑞希に試食させまくって完成した白峰さんのチョコ。
っていうかこれがんばりすぎて引かれるんじゃGODIVAの前に勝ち目を無くした白峰さんの図。
テディベア作りの時にも、皆の好みを把握してメモってる風だったけど
何か肝心な所で努力の方向音痴感は篠崎さんに通ずるモノがある。

貴女にドキドキしている。

あのキス4巻は何だかんだで3冊買った(何
虎のはまだ届いてないけど、COMIC ZIN特典を少し紹介。もうちょっとだけないしょにさせてね

萌にも自分と同じようにドキドキして欲しいと思っている瑞希。
萌は具体例は挙げられないけどドキドキしていると言う。

そんな萌が最近一番ドキドキするのは実は瑞希の匂いだった。
うん、これは具体例挙げたらまた瑞希がドキドキさせられる案件。
瑞希はまさか寝ている間に、萌が匂いを嗅いでいたりすりすりしているとは思うまい。
足を絡めるほど密着しすぎィ!萌は我々をもドキドキさせるのですか!
萌がこれを繰り返してるうちに、寝ていたと思った瑞希が途中で目が覚めたりして
瑞希は必死で寝たふりを決め込むけど
翌日ぎこちなく顔真っ赤な瑞希で起きてたのバレる展開を勝手に妄想した。
瑞希は今はまだ子供のように寝付きが良いですから、もっと大人になってから…かな。

あのキスはオニバス形式で色んな素晴らしい百合を堪能できる至高の作品。
缶乃先生に感謝します。

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あの娘にキスと白百合を5巻の感想はこちら。

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